「翡翠展」(国立科学博物館主催)に展示された黒翡翠(オンファス輝石)弊社蔵
通常は真っ黒に見えるが光に透かして見ると濃緑に見える黒翡翠、通常の緑の翡翠に飽き足らない人に特別な関心を持ってみられます。
これは実はオンファス輝石なんです。
翡翠(硬玉)と同じ輝石グループに入っているいわば親類のような鉱物で通常の緑の翡翠の中にもオンファス輝石が混じっていてその量が多いと緑も濃くなります。
いわば「硬玉」と「オンファス輝石」は切っても切れない深い関係があるといってもいいでしょう。
このオンファス輝石(黒翡翠)はミャンマーでの
オークションでも通常の翡翠と同じに扱われ区別はありません。
また香港で開催されるサザビーズやクリスティーズでのオークションでも「Jadiete」と表記され今年の春のオークションでも変わっていません。
なぜこんなことを書くのか?と疑問に思う方もいるかと思いますが
それはですね、
日本での鑑別書には「オンファス輝石」と表記されるからなのです。
良く業界以外の方とも名刺交換することがありますが「翡翠」を何と読むかわからない人が結構いるんですよ。
1カ月ほど前も社員数2000名ほどの会社の社長さんと交換したのですが驚くことに読めなかったのです。
へ~、当然それ位の学識はあると思っていたのですが意外な驚きでした。
それだけ翡翠が知られていないのにオンファス輝石といっていったい何人の方が理解できるでしょうか?
鑑別書をもらう側のお客様がちゃんとした知識があって理解し納得してお買い上げいただき「オンファス輝石」
と表記された鑑別書をもらう場合は良いのですがそうでない場合は翡翠と思って買ったのに「オンファス輝石」
だなんて翡翠と違うの?と疑念を持たれることでしょう。
「パワーストーンとして買ったのに翡翠のパワーがあるの?」と疑問に思わるる方もあるでしょう。
要するに「黒翡翠・オンファス輝石」はその価値評価は変わらないのに私たち業者にとっては厄介な問題を抱えた鉱物なんです。
これで黒翡翠のお話は終わったわけではありません。
同じ黒翡翠でもオンファス輝石でない「黒翡翠」もあるのです。
ほんとにややこしいですね。
また次の機会にお話しいたします。
下記写真は ミャンマーのオークションに出品された黒翡翠(オンファス輝石)です。
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